Technical Report 画像化法:酸化鉄マイクロ粒子を用いる磁気共鳴法による急性脳炎のin vivo画像化 2007年10月5日 Nature Medicine 13, 10 doi: 10.1038/nm1631 多発性硬化症は中枢神経系の疾患であり、白血球の動員に続いて炎症や脱髄、軸索消失が起こる。血管内皮細胞接着分子1(VCAM-1)とそのリガンドであるα4β1インテグリンは、白血球動員の重要なメディエーターであって、α4β1のα4サブユニットに結合する選択的阻害剤は多発性硬化症の症状再発をかなり低減する。早期診断を下し、疾患活動性を定量化し、特異的治療法の指針を示すための分子画像化技術は、現在早急に必要とされている。本論文では、マウスモデルで磁気共鳴画像化により、急性脳炎の病変が他の手段では検出できない時期に、VCAM-1をin vivoで検出する方法を報告する。大量の酸化鉄を含むマイクロ粒子に抗体を結合させることで、強力で定量化可能な造影効果が得られ、活動の高まった脳血管系を画像化できた。これらのマイクロ粒子は短時間で血中から除去されて背景コントラストは最小となる。この技術は、さまざまな病変で血管内分子のin vivo発現探索に適用可能と考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る