Technical Report ウイルス診断技術:鳥インフルエンザウイルスを液滴内に捕える 2007年10月5日 Nature Medicine 13, 10 doi: 10.1038/nm1634 インフルエンザ患者の一次集団の居所が短期間ならば局所に制限されるとするならば、抗ウイルス薬の適時集団投薬とそれを補足する交通遮断や社会的隔離策によって、発生初期のインフルエンザ流行を発生源に封じ込めることが可能だと思われる。しかし、基本的な公衆衛生対策財源をもたない国々では有効な定期監視活動は不可能かもしれない。世界規模の封じ込め戦略を成功させるには、地方分散型の検査を可能にするような、低コストで扱いやすく、持ち運び可能な小型の検査ユニットが不可欠だろう。本論文では、超常磁性粒子を含む浮遊液滴の磁力操作により、咽喉スワブ標品中の高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1を検出できるマイクロ流体装置について報告する。連続的処理により、ウイルスRNAを単離・精製してから50,000%に前濃縮し、超高速リアルタイムRT-PCRを行う。このバイオアッセイ法は、すでに商品化されている検査装置と比較して感度は遜色なく、処理速度は440%、価格は20分の1から50分の1となる。 Full text PDF 目次へ戻る