Article 喘息:TH2細胞の活性化とアレルギー性気道疾患の発現に不可欠なTRAILとCCL20との関連 2007年11月8日 Nature Medicine 13, 11 doi: 10.1038/nm1660 2型ヘルパーT(TH2)リンパ球が仲介する免疫応答で腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)の担う役割は明らかになっていない。本論文では、TRAIL欠損(Tnfsf10-/-)マウスとTRAILを標的とする短鎖干渉RNAに暴露したマウスを使って、アレルギー性気道疾患発症の特徴を明らかにする。TRAILはアレルギーマウスの気道上皮に大量に発現していること、またそのシグナル伝達を抑制すると、ケモカインCCL20の産生と骨髄性樹状細胞およびCCR6とCD4を発現するT細胞の気道へのホーミングが低下することがわかった。ホーミングの低下により、TH2サイトカインの放出、炎症、気道過敏性および転写活性化因子STAT6の発現が制限される。Tnfsf10-/- マウスでは、インターロイキン13によるSTAT6の活性化によって気道過敏性が復活する。組換え型TRAILは、喘息の発症徴候を誘発し、またヒト気管支上皮初代培養細胞でCCL20の産生を促進する。TRAILはまた、喘息患者の痰でも増加している。気道上皮におけるTRAILの機能から、この分子は喘息治療の標的であることが示される。 Full text PDF 目次へ戻る