Technical Report 免疫:自己抗原のヒト化 2007年3月3日 Nature Medicine 13, 3 doi: 10.1038/nm1496 ヒト自己免疫疾患に特有の病変を実験動物で再現できれば、そうした疾患の発症機序を解明するのに役立つだろう。今回我々は、遺伝子操作したマウスを使ってヒト自己免疫疾患を再現できたことを示す。水疱性類天疱瘡(BP)はよくみられる深刻な自己免疫性皮膚疾患であり、その原因となる自己抗原はXVII型コラーゲン (COL17)であることを示す十分な間接的証拠が得られている。しかし、マウスにヒト BP自己抗体を受動投与しても皮膚病変は生じない。それはおそらくヒトとマウスでCOL17病原エピトープのアミノ酸配列が違っているからである。我々はCol17ノックアウトマウスをヒトのCOL17遺伝子導入によって救済したマウスに、ヒトBP抗体を注入した。その結果、ヒトBP患者様の皮膚病変とヒト疾患の表現型が現れた。自己抗原のヒト化はヒト自己免疫疾患の新たな研究手法となる。 Full text PDF 目次へ戻る