Letter 心疾患:MicroRNA-133は心肥大を制御する 2006年5月1日 Nature Medicine 13, 5 doi: 10.1038/nm1582 マイクロRNA(miRNA、miR)が、基本的な細胞機能や発癌に関与することを示す証拠は増加しつつある。今回我々は、miR-133が心筋細胞の肥大の決定に重要な役割を果たすことを報告する。マウスおよびヒトの心肥大モデルでは、同じ転写ユニットに属するmiR-133とmiR-1の両方の発現減少がみられた。In vitroでmiR-133あるいはmiR-1を過剰発現すると心肥大は抑制された。一方、「デコイ」配列によりmiR-133を抑制すると心肥大が誘導され、その程度は従来の心肥大誘導因子による場合よりも顕著であった。Antagomirをin vivoで単回注入してmiR-133の働きを阻害すると、持続する顕著な心肥大がみられた。我々はmiR-133の特異的な標的として、心肥大を制御するGDP-GTP交換タンパク質であるRhoA、心肥大への関与が示唆されるシグナル伝達キナーゼであるCdc42、心臓の発生にかかわる核内因子であるNelf-A/WHSC2を同定した。今回の結果はmiR-133と、おそらくはmiR-1とが心肥大の重要な制御因子であることを示しており、これらは心疾患の治療に適用できると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る