Technical Report

免疫:HVEMに対する抗原ターゲティングは一次適応免疫応答を増進させる

Nature Medicine 14, 2 doi: 10.1038/nm1704

HVEM(herpesvirus entry mediator)とBTLA(B- and T-lymphocyte attenuator)の相互作用は、B細胞およびT細胞の活性化を阻害する。HVEM-BTLA相互作用は、単純ヘルペスウイルス(HSV)の糖タンパク質D(gD)のN末端ドメインがHVEMのBTLA結合部位へ結合することによって阻害される。本研究で我々は、ウイルス抗原をgDのC末端ドメインに組み込み、これらの抗原をプラスミドまたはE1欠失(複製障害)アデノウイルスベクターを使って発現させた。gDと融合したウイルス抗原は、この抗原に対するT細胞およびB細胞の応答を引き起こし、その応答は同じ抗原がgDなしで発現された場合よりもはるかに強かった。この免疫増強作用には、gDキメラタンパク質のHVEMへの結合が必要だった。つまり今回の研究は、HVEMのBTLA結合部位への抗原ターゲティングが、ワクチンの免疫原性を増強することを示している。

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