Brief Communication

腫瘍:血管周囲の一酸化窒素勾配は腫瘍脈管構造を正常化する

Nature Medicine 14, 3 doi: 10.1038/nm1730

腫瘍の脈管構造の正常化は、細胞傷害療法を発展させるための新たな戦略である。本論文では、神経細胞NO合成酵素のサイレンシングまたは阻害によって腫瘍細胞での一酸化窒素(NO)の産生を消失させると、マウス中のヒト神経膠腫異種移植片の血管周囲にNO勾配が生じ、腫瘍の脈管構造が正常化して、その結果腫瘍の酸素化が改善され、放射線治療への反応性が向上することを示す。血管周囲におけるNO勾配の生成は、異常な脈管構造を正常化させるのに有効な戦略であると考えられる。

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