Review

ワクチン:ワクチン接種および疾患におけるCD8+T細胞の有効性

Nature Medicine 14, 6 doi: 10.1038/nm.f.1774

適応免疫系の細胞性免疫の誘導、特にウイルス感染やがんに対する宿主応答で中心的な役割を担うCD8+T細胞を誘導するワクチンの設計には多くの努力が注がれてきた。しかしこれまで、有効なT細胞ワクチンの開発は成功していない。その一因は、防御に関連する因子が明確にされていないことや、ヒトでT細胞免疫を起こさせる決定因子の性質の十分な解明が本来的に難しい点にある。感染症と腫瘍免疫学という本質的に異なる分野で得られた最近のデータは、抗原特異的T細胞のクローン型ごとの機能特性に重点を置き、CD8+T細胞の有効性解明に集中して、よりよい理解をもたらしている。この新しい知見は、もっと有効性の高いT細胞ワクチン設計への道を開き、包括的な免疫監視の重要性をはっきりと示すものだ。

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