Letter 早老症候群:スタチンとアミノビスホスホネートの併用投与はヒト早老のマウスモデルで寿命を延長する 2008年7月7日 Nature Medicine 14, 7 doi: 10.1038/nm1786 ハッチンソン・ギルフォード早老症候群(HGPS)などのいくつかのヒト早老症は、ファルネシル化された短縮型プレラミンAの核膜蓄積によって起こるが、このタンパク質は正常の加齢の際にも変化している。HGPS患者由来の細胞での以前の研究で、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害薬(FTI)がプレラミンA蓄積にともなう核の異常を改善することが示されており、これらの化合物がこの重篤な早老性症候群に対する治療手段となる可能性が示唆されている。今回我々は、プレラミンAとその短縮型プロジェリン/LAΔ50が、ファルネシルトランスフェラーゼを阻害した状態ではゲラニルゲラニルトランスフェラーゼにより異なったプレニル化を受けることを示す。早老症のマウスモデルの表現型の改善でFTIの効果が低いのはこれが理由である可能性がある。我々はまた、スタチンとアミノビスホスホネートの組み合わせがプロジェリンとプレラミンAのファルネシル化とゲラチルゲラニル化の両方を効率よく抑制し、メタロプロテイナーゼZmpste24欠損マウスの加齢様表現型を顕著に改善することを示す。この加齢様表現型には、成長遅延、体重減少、リポジストロフィー、脱毛および骨異常が含まれる。同様に、これらのマウスの寿命はかなり延長した。以上の結果は、核膜異常をともなうヒト早老性症候群の新たな治療手段を提示するものである。 Full text PDF 目次へ戻る