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脳血管障害:組織プラスミノーゲンアクチベーターによるPDGF-CCの活性化は虚血性脳卒中の際に血液脳関門を損なう

Nature Medicine 14, 7 doi: 10.1038/nm1787

虚血性脳卒中の際に行われる組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)による血栓溶解治療は、出血性の併発症が懸念されることや、発症後3時間以内に投与を開始する必要性があることで、大きく制限されている。本論文では、tPAによる潜在型血小板由来増殖因子CC(PDGF-CC)の活性化によってこれらの制限が説明可能であることを報告する。虚血が起こっていない場合に、tPAあるいは活性型PDGF-CCを脳室内に注入すると、脳血管透過性の大幅な上昇が引き起こされる。これに対して、tPAとともにPDGF-CCの中和抗体を注入すると、こうした透過性上昇が阻害されることから、この神経血管単位(neurovascular unit)内でPDGF-CCがtPAの下流の基質であることが示される。このような影響は血管周囲のアストロサイトでのPDGF-α受容体(PDGFR-α)の活性化によって仲介されており、また、虚血性脳卒中後のマウスにPDGFR-αの拮抗剤イマチニブを投与すると脳血管透過性が低下し、また血栓溶解性tPAの遅い時期の投与に関連して起こる出血性併発症も減少する。これらのデータは、PDGFシグナル伝達が血液脳関門の透過性を調節することを示しており、また脳卒中治療の新戦略と考えられるものを示唆している。

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