Article がん:遺伝子発現をもとにした肺腺がんの生存予測に関する多施設盲検評価研究 2008年8月1日 Nature Medicine 14, 8 doi: 10.1038/nm.1790 遺伝子発現の特徴を早期肺がんの生存予測に使う方法はすでに提案されているが、これを臨床に応用するには、異なる被験者集団ならびに異なる研究機関間での実績の確立が重要である。本論文では、442種の肺腺がんにおける遺伝子発現にもとづく、予後を示す数種のモデルの性能を明らかにするための大規模、トレーニング・認定、多施設盲検評価研究について報告する。提案されているモデルで、マイクロアレイを用いた遺伝子発現測定のみ、または基本的な臨床的共変量(ステージ、年齢、性別)と組み合わせたものが、肺がん患者の全生存予測に使用可能かどうかが調べられた。検討したモデルのいくつかは、被験者の実際の転帰とかなりよく相関するリスクスコアを示した。大部分の方法では、臨床データと組み合わせた方がより良好な結果が得られ、これは早期肺がんの予後を示すモデルの構築には臨床的情報と分子的情報との併用が望ましいことを証拠立てている。本研究はまた、詳しい病理的、臨床的なアノテーションが行われた、肺腺がんに関する利用可能な最大規模のマイクロアレイデータセットともなっている。 Full text PDF 目次へ戻る