Technical Report

腎疾患:トランスジェニックマウスで尿細管機能を短期的および長期的に修飾するための高効率な汎用システム

Nature Medicine 14, 9 doi: 10.1038/nm.1865

本論文では、胎児期と成体期のどちらの腎臓でも、すべての近位および遠位細管と全集合管系に、マウスPax8プロモーターの制御下で逆テトラサイクリン依存性転写活性化因子(rtTA)の高レベル発現を導くことのできる、トランスジェニックマウス系列Pax8-rtTAについて報告する。我々は、Pax8-rtTAマウスとテトラサイクリン応答性c-MYCマウスを交配し、成人型多発性嚢胞腎を模倣でき、悪性腎疾患への進行が見られる多発性嚢胞腎誘発モデルを新規に確立した。腎臓を標的としてトランスフォーミング増殖因子β1を発現させると、断続的な処置によって早期致死性を回避でき、腎繊維症誘発モデルを確立できた。さらに、結節性硬化症複合体1をコードする遺伝子の条件的ノックアウトに成功し、これにより常染色体劣性多発性嚢胞腎によく似た巨大な多発性嚢胞腎が早期に発生した。これらの実験から、Pax8-rtTAマウスは、トランスジェニックマウスで腎疾患モデルを構築するための強力な手法となることが確認された。

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