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敗血症:骨髄ストローマ細胞はプロスタグランジンE2に依存した宿主マクロファージの再プログラム化によってインターロイキン10産生を増大させ、敗血症を軽症化する

Nature Medicine 15, 1 doi: 10.1038/nm.1905

敗血症は米国で毎年20万人以上の死亡原因となっており、治療法の向上が緊急に必要とされている。マウスで盲腸の結紮・穿刺により敗血症を誘発する前あるいは誘発直後に、骨髄ストローマ細胞(BMSC、間葉系幹細胞とも呼ぶ)を投与すると、死亡率が低下し、臓器機能が改善した。このBMSCの効果は、マクロファージの枯渇、あるいはインターロイキン10(IL-10)またはIL-10受容体特異的抗体による前処置により消失した。敗血症のマウス肺から採取した単球やマクロファージは、BMSCを投与したマウスから調製したものの方が、投与しなかったマウスのものに比べてIL-10産生量が多かった。リポ多糖(LPS)刺激マクロファージは、BMSCとともに培養するとより多くのIL-10を産生したが、BMSCがToll様受容体4、MyD88(myeloid differentiation primary response gene-88)、腫瘍壊死因子(TNF)受容体1a、あるいはシクロオキシゲナーゼ2をコードする遺伝子を欠損していると、産生増大はみられなかった。我々の結果は、LPSあるいはTNF-αにより活性化されたBMSCがプロスタグランジンE2の放出によって、マクロファージを再プログラム化することを示唆している。プロスタグランジンE2は、プロスタグランジンEP2およびEP4受容体を介してマクロファージに作用する。BMSCはヒトへの投与にすでに成功しており、容易に培養でき、ヒト白血球抗原とのマッチングを考慮せずに使用できる可能性があるので、培養、保存ヒトBMSCはハイリスク患者群での敗血症の治療に有効だろうと我々は考える。

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