脳内出血は卒中の原因の約15%を占め、治療が特に困難である。C Iadecolaは、脳内出血のよくみられる型であるクモ膜下出血が死に結びつくことの多い理由に関して、見解の転換をもたらしそうな新しい臨床研究を論評している。最初の出血から数日後に、脳内で大規模な病変が生じることが多いが、この危険な合併症は動脈が狭まる血管れん縮が原因であると従来考えられてきた。しかし新しい研究では、こうした病変はニューロンの脱分極が原因であり、脱分極が脳内全体に波のように広がって行く可能性が示されている。G J del Zoppoは、毒性のあるアミロイドβペプチドの脳内沈着と脳内出血の結びつきを探り、止血能をもつ血中タンパク質をこのペプチドが不活性化させることを示唆する研究について論じている。