Commentary

ラスカー賞とローマ法王の肖像画:通念をひっくり返す

Nature Medicine 15, 10 doi: 10.1038/nm1009-1137

ローマ法王の肖像画は長い伝統をもつ。最初は厳めしい正装をつけていた法皇像が変貌をつづけ、ついには頭を下にした「ひっくり返った」姿となるまでの500年間の変遷は、生物医学研究がどのように変化してきたか、その歴史とそっくりである。どちらの場合も、飛躍的な変化ないし進展は一握りの創造力に富んだ才能によってなされたことが、はっきり読みとれるのだ。今年のラスカー基礎医学賞および臨床医学賞の受賞者たちがあげた成果を見れば、核の再プログラム化やがん治療の分野の常識を彼らがいともやすやすと「ひっくり返した」ことがはっきりわかるだろう。

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