Letter 遺伝学:大量並行ピロシークエンス法を用いた主要組織適合遺伝子複合体の遺伝子型決定 2009年11月1日 Nature Medicine 15, 11 doi: 10.1038/nm.2038 主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の遺伝学的特性は適応的細胞性免疫応答を左右するため、感染症やワクチン開発、移植の研究には確実で安定したMHC遺伝子型決定法が不可欠である。非ヒト霊長類は、このような生物医学研究領域での前臨床モデルとしてきわめて重要である。だがマカク属サルのMHCはほかに例をみないほど複雑で、これらの重要なモデル動物のMHC遺伝子型決定には既存の方法論では不十分である。今回我々は、非ヒト霊長類の包括的MHCクラスI遺伝子型を決定するための一般的手法として、相補的DNA-PCRアンプリコンのピロシークエンシングを用いた。アカゲザル、カニクイザル、ブタオザルの塩基配列に基づく遺伝子型決定によって、500個を超える独自のMHCクラスI塩基配列を解読でき、それらのほぼ半数はこれまで未報告のものであった。この手法がマカク属サルで非常に高い感度を示すことは、ヒトを含む霊長類の超高スループットMHC遺伝子型決定にピロシークエンス法が実際に使えることを実証している。 Full text PDF 目次へ戻る