治療過程で免疫応答を調節する方法はたくさんある。たとえば炎症性メディエーターであるIL-1を標的とする薬剤は、特定の炎症状態にある疾患を抑えることができる。しかし、そうした薬剤は関節リウマチのような自己免疫疾患などの他の病態ではあまり効果を発揮しない。一見すると矛盾したこの現象を解明する手がかりが新しい臨床研究から得られており、K H G MillsとA Dunneがそれらを検証している。マウスで有効だったもう1つの方法は、調節性T細胞の免疫応答を抑える能力を利用するものだ。しかし、この方法をヒトに応用する際に障害となるものの1つが、自身の特徴を悪い方向へ変化させる調節性T細胞の性質である。M GadinaとJ J O′Sheaは、このジレンマを明らかにする基礎研究を検証し、それがヒトでの臨床試験の先行きになにを意味するかを吟味している。