Article 遺伝子治療:自己CD34+細胞に導入した抗HIVリボザイムを使った遺伝子治療に関する第二相臨床試験 2009年3月1日 Nature Medicine 15, 3 doi: 10.1038/nm.1932 遺伝子導入は、一度だけの処置でウイルス量を減少させ、免疫系を温存して、一生にわたって強力な抗レトロウイルス治療を続けずに済む治療法となる可能性がある。本研究は、細胞送達による遺伝子導入の、無作為化、二重盲検プラセボ対照第二相臨床試験として、我々が知るかぎり最初のもので、tat-vpr特異的な抗HIVリボザイム(OZ1)あるいはプラセボを含む自己CD34+造血系前駆細胞を投与した74名のHIV-1成人感染者について行われた。OZ1に関連した副作用は認められなかった。一次エンドポイントでは、OZ1投与群とプラセボ投与群との間でウイルス量(47週目と48週目の平均)について統計学的に有意な差はなかったが、40〜48週および40〜100週の曲線下時間加重面積(TWAUC)はOZ1投与群のほうが有意に低かった。100週を通じて、CD4+リンパ球の数はOZ1投与群のほうが高かった。本研究は細胞移入による遺伝子導入がHIV患者にとって安全かつ生物学的に有効であり、通常の治療法として開発可能であることを示している。 Full text PDF 目次へ戻る