News & Views 【COMMUNITY CORNER】C型肝炎のマウスモデル開発へ一歩前進 2009年3月1日 Nature Medicine 15, 3 doi: 10.1038/nm0309-251 C型肝炎の治療薬は高価で、有効性は十分でなく、ワクチンも今のところない。そのため、C型肝炎ウイルス(HCV)感染のマウスモデルの開発には大きな関心が寄せられてきた。HCVで発病するのはヒトとチンパンジーだけである。最近、2つの研究グループが、HCVが最初の標的である肝細胞に侵入するのに必須の因子を突き止め、マウスモデル開発という目標に一歩近づいた。A Plossたち、およびS Liuたちは、密着結合の成分であるオクルディンにHCVが結合することを報告している。マウス細胞に、すでにウイルス標的であることがわかっている別のヒトタンパク質とともにヒト・オクルディンを発現させると、HCVは細胞内に侵入・感染できるようになる。HCV感染者は世界中で毎年300〜400万人に上る。今回の知見は、HCV感染のマウスモデル開発を目指すうえでどんな意味をもってくるのだろうか。 Full text PDF 目次へ戻る