Technical Report

画像化法:ミエロペルオキシダーゼ活性の生物発光を用いたin vivo画像化

Nature Medicine 15, 4 doi: 10.1038/nm.1886

活性化した食細胞のミエロペルオキシダーゼ(MPO)系は正常な宿主防御機構の中核となっており、MPOの制御異常はアテローム性動脈硬化からがんまでを含む幅広い炎症性疾患の病因にかかわっている。本論文では、小型分子であるルミノールの全身投与によって、in vivoでのMPO活性の非侵襲的な生物発光画像化(BLI)が可能となることを示す。ルミノール-BLIにより、急性皮膚炎、混合型アレルギー性接触過敏症、限局性関節炎、自然発生型大顆粒リンパ球性白血病の動物モデルでMPO活性の定量的な経度方向モニタリングを行うことができた。生物発光は炎症の組織学的部位に局在化し、遺伝子を欠失したMpo-/-マウスでは、好中球と活性化した好酸球の大規模な組織浸潤はあったにもかかわらず生物発光が完全に消え、これは好酸球のペルオキシダーゼはin vivoでのルミノール-BLIに関与しないことを示している。したがってルミノール-BLIでは、in vivoで食細胞の関与するMPO活性に特異的な高感度の光学的情報が非侵襲的に得られ、これは急性および慢性の広範な炎症性病態の診断に使える新たな手段となる可能性がある。

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