Technical Report 染色体:ヒト卵割期胚で広くみられる染色体不安定性 2009年5月14日 Nature Medicine 15, 5 doi: 10.1038/nm.1924 染色体不安定性は腫瘍形成の際立った特徴の1つである。本研究では、染色体不安定性はヒトの胚形成初期にも広くみられることを実証する。アレイを使った新手法によって、単一細胞のゲノム全体でコピー数やヘテロ接合性消失のスクリーニングが可能になった。これによって、卵割期胚のほとんどで全染色体の異数性や片親由来二染色体性についてのモザイク現象だけでなく、姉妹割球間で相反的に起こる染色体セグメント欠失、重複、増幅も高頻度でみられることが明らかになり、切断−融合−架橋サイクルの存在が示唆された。この結果から、ヒトの生殖能力の低さが説明でき、配偶子接合後の染色体不安定性が構成的染色体異常の主な原因の1つであることが明らかになった。 Full text PDF 目次へ戻る