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免疫:内皮基底膜ラミニンα5はTリンパ球の脳へ向かう血管外遊出を選択的に阻害する

Nature Medicine 15, 5 doi: 10.1038/nm.1957

多発性硬化症で脳炎誘発性Tリンパ球の中枢神経系侵入を特異的に阻害できれば、自然免疫応答を障害せずに疾患を抑制する手段となるだろう。本論文では、リンパ球と内皮基底膜のラミニンとの相互作用を標的とすることで、これが実現できる可能性を明らかにする。マウスの実験的自己免疫性脳脊髄炎では、Tリンパ球の血管外遊出はラミニンα4と少量のラミニンα5を発現する部位に関連している。ラミニンα4を欠損するマウスでは、ラミニンα5が血管樹に沿って広く発現し、そのためにTリンパ球の脳への浸潤が選択的に大きく低下し、疾患の罹病性や重症度が低下する。このようなマウスで、血管表現型や免疫応答は影響を受けていなかった。ラミニンα5は、インテグリンα6β 1による、ラミニンα4を介したTリンパ球移動を直接阻害した。このデータは、Tリンパ球が他の免疫細胞とは異なる機構を使って、内皮基底膜障壁に侵入することを示しており、この免疫細胞集団を特異的に標的とすることを可能にしている。

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