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免疫:ミエリン特異的T細胞は多発性硬化症のトランスジェニックマウスモデルで神経細胞自己抗原も認識する

Nature Medicine 15, 6 doi: 10.1038/nm.1975

本論文では、ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)に特異的なT細胞抗原受容体(TCR)を発現するトランスジェニックマウスは、MOGの非存在下で自然発症性の実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を発病するという矛盾した結果について述べる。Mog欠損マウス(Mog-/-)では、トランスジェニックT細胞による自己免疫応答は神経細胞の細胞骨格系自己抗原であるニューロフィラメントM(NF-M)に対するものとなる。根本的に異なる種類のタンパク質の構成部分であるMOG35-55とNF-M18-30の、交差反応性を示す主要組織適合性抗原複合体I-Ab拘束性エピトープ配列は、TCRとの重要な接触部分が共通している。この交差反応のパターンはトランスジェニックTCRに特異的なものではなく、MOG35-55-I-Ab反応性のT細胞に一般的にみられる。C57BL/6マウスでは、MOGに対する応答成分とNF-Mに対する応答成分が合わさることで、自己免疫の実験的誘導に対してこの種のマウス全般にみられる抵抗性が抑えられると我々は考える。これと似た、複数の自己抗原に対する応答の集積は、ヒトの自然発症性の自己免疫疾患にもかかわりがあるかもしれない。

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