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血管新生:組織脈管化の際の血管増殖の生物力学的調節

Nature Medicine 15, 6 doi: 10.1038/nm.1985

創傷治癒中の肉芽組織における新たな血管の形成は、出芽による血管新生(angiogenesis)だけによって起こると考えられてきた。今回我々は、血管新生によらずに、既存の血管の伸長によって脈管新生が起こる場合もあることを示す。ニワトリの漿尿膜や治癒中のマウス角膜にもとづく脈管新生モデルを用いて、創傷収縮中に活性化された繊維芽細胞あるいは筋繊維芽細胞が生み出す組織張力が脈管構造の転置を仲介し、方向付けすることを見いだした。これらの機械的力は、血液循環機能をもつ脈管ループとして、血管を既存の血管床から引き出し、これが拡大・伸長して、成長する肉芽組織に組み込まれて増殖する。生物力学的力だけで、内皮細胞の出芽あるいは増殖とは無関係に初期の血管成長が引き起こされることが、血管内皮細胞増殖因子受容体2の遮断により確証された。新生脈管ネットワークは、個々の血管の分岐、出芽と退縮によってさらに改編が行われた。このモデルは、創傷治癒中の肉芽組織に大きな機能性血管が迅速に出現することの説明となる。

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