免疫プロテアソームは、主に単球やリンパ球にみられる別種のプロテアソームであり、主要組織適合性複合体クラスI(MHC-I)上に提示される抗原レパートリーを形作ることで知られている。しかし、免疫応答のこれ以外の性質の調節における免疫プロテアソームの特異的な役割については確証されていない。今回我々は、免疫プロテアソームのキモトリプシン様サブユニットLMP7(low-molecular mass polypeptide-7、Psmb8にコードされる)の選択的阻害剤であるPR-957の性質について述べる。PR-957は、in vitroおよびin vivoで、LMP7特異的なMHC-I拘束性抗原の提示を阻害した。PR-957によるLMP7の選択的阻害は、活性化単球によるインターロイキン23(IL-23)産生およびT細胞によるインターフェロンγとIL-2の産生を遮断した。関節リウマチのマウスモデルでは、PR-957投与により病状が回復し、細胞浸潤、サイトカイン産生、および自己抗体レベルが低下した。この研究は、病因となる免疫応答の制御におけるLMP7の独特な役割を明らかにしており、また自己免疫疾患でLMP7を標的にすることに対する治療上の根拠となる。