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免疫:in vivoで起こる記憶CD4+ T細胞のCD4発現低下がアフリカミドリザルを進行性のSIVagm感染に対して抵抗性にする

Nature Medicine 15, 8 doi: 10.1038/nm.1970

アフリカミドリザル(Chlorocebus属)は種特異的なサル免疫不全ウイルス(SIVagm)に感染するが、エイズを発症することはない。このようなSIV自然宿主は、スーティーマンガベイと同様に、SIVの複製は高レベルで維持されているにもかかわらず免疫不全を起こさないように進化してきた。自然宿主が明らかな病状を呈すことなくSIVと共存できる機序の解明から、エイズの発生病理を理解する上で重要な情報が得られる可能性がある。本論文では、アフリカミドリザル由来のCD4+ T細胞の多くは記憶細胞プールに入る際にCD4発現がin vivoで低下していることを示す。また、記憶T細胞のCD4発現低下はSIV感染と無関係である。本来ならばCD4+ T細胞が担っているインターロイキン2(IL-2)産生、IL-17産生、フォークヘッドボックスP3発現およびCD40リガンド発現などの機能は、CD4-記憶T細胞が維持している。CD4の発現喪失は、in vivoでT細胞のSIVagm感染を防止する。このようなCD4- T細胞は主要組織適合抗原複合体クラスII拘束性を維持できる。以上の結果より、自然宿主でSIVによる病気の進行が認められないのは、in vivoでCD4+ T細胞機能を維持しながら、SIV感染には抵抗性であるT細胞サブセットの保持によって部分的に説明できる可能性がある。

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