Article HIV:HSV-2再活性化後のHIV-1受容体陽性細胞の残存はHIV-1感染増進の機序である可能性がある 2009年8月1日 Nature Medicine 15, 8 doi: 10.1038/nm.2006 単純ヘルペスウイルス(HSV)-2感染がHIV-1感染と関連している機序を調べるため、我々は抗ウイルス療法を行っている時といない時の患者由来のHSV-2病変の連続生検を使って細胞浸潤のin situ解析を行った。CD4+ T細胞、CD8+ T細胞、形質細胞様および骨髄系樹状細胞(DC)の混合集団(C型レクチン受容体DC-SIGN発現細胞など)が、連日抗ウイルス療法を行っている時でさえ、治癒後何カ月間にもわたってHSV-2の再活性化部位に残存していた。HSV-2抗原に反応して残存したこのCD4+ T細胞は、ケモカイン受容体CCR5の発現が増加しており、またインターロイキン3受容体CD123もしくはDC-SIGNを発現するDCに隣接して存在していた。HIV-1のCCR5指向性株を用いたex vivo感染から、対照である皮膚生検細胞中に比べて、治癒した生殖器病変の生検由来細胞中の方が組み込まれたHIV-1 DNAがずっと多いことが明らかになった。生殖器にHIV受容体陽性の炎症細胞が高濃度で残存することは、HSV-2抑制療法がHIV感染を軽減できないことの説明となる。 Full text PDF 目次へ戻る