Technical Report

免疫:ヒト末梢血由来の抗原特異的抗体分泌細胞をスクリーニングするための迅速で高効率な単一細胞操作法

Nature Medicine 15, 9 doi: 10.1038/nm.1966

抗原特異的なヒトモノクローナル抗体(mAb)は治療薬の重要な候補である。しかし、ヒトの抗原特異的抗体分泌細胞(ASC)のスクリーニングに適したシステムは、現在のところ限られている。今回我々は、マイクロウェルアレイチップを用いてASCを1個単位で検出する独自の方法を報告する。この方法は生細胞を1個ずつ解析することが可能であり、迅速かつ高効率で目的とするASCを見つけ出し回収できるハイスループットシステム(最大処理量は細胞234,000個)である。我々はこのシステムを使って、ヒト末梢血リンパ球からB型肝炎ウイルスおよびインフルエンザウイルスのASCを検出・回収し、ウイルス中和活性をもつヒトmAbを1週間以内に産生することができた。さらにこのシステムは、1個のチップ上で複数抗原のASCを検出するのにも、高親和性抗体を分泌するASCを選別するのにも有用なことが明らかになった。この手法によって、個々の患者のための治療用抗体産生に向けた道が開けるだろう。

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