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がん:腫瘍抑制因子Snf5喪失はヘッジホッグ-Gliシグナル伝達経路の異常活性化につながる

Nature Medicine 16, 12 doi: 10.1038/nm.2251

ヘッジホッグ(Hh)シグナル伝達経路の異常活性化は、腫瘍形成を駆動する可能性がある。Hhシグナル伝達のきわめて重要なエフェクターであるGLI1(glioma-associated oncogene family zinc finger-1)がHh経路の活性化を調節する機序を調べるために、GLI1と相互作用するタンパク質を探索した。本論文では、ヒト悪性ラブドイド腫瘍(MRT)で不活性化されているクロマチンリモデリングタンパク質SNF5(SMARCB1によってコードされ、以後SNF5とよぶ)が、GLI1と相互作用することを報告する。さらに、Snf5はGli1によって調節されるプロモーターに局在し、Snf5が失われるとHh-Gliシグナル伝達経路の活性化につながることを示す。これに対し、MRT細胞でSNF5を再発現させると、GLI1が抑制される。これと一致して、原発性MRTの遺伝子発現プロファイルではHh-Gliが活性化されており、またin vitroおよびin vivoで、GLI1はSNF5欠失MRT細胞の増殖を促進することがわかった。今回の研究は、SNF5がHhシグナル伝達の主要な仲介因子であり、GLI1の異常活性化はMRT細胞増殖にかかわるこれまで知られていなかった機序で、治療標的となり得ることを明らかにしている。

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