Technical Report

画像化技術:内在性タンパク質およびペプチドの分子磁気共鳴画像化による神経膠腫と放射線壊死との弁別

Nature Medicine 17, 1 doi: 10.1038/nm.2268

脳腫瘍治療後の再発腫瘍を放射線壊死と区別することは未だに難しい。今回我々は、細胞内在性タンパク質およびペプチドのアミドプロトン移動(APT)磁気共鳴画像化(MRI)信号を画像化バイオマーカーとして使って、これらの病変部を弁別できることを示す。同所性神経膠腫の2種類のラットモデル(SF188/V+神経膠腫と9L神経膠肉腫)と放射線壊死ラットモデルとの比較で、生存能力のある神経膠腫(信号強度は高い)と放射線壊死(信号強度は低い〜同等)をAPT MRIによってはっきり区別できた。U87MG神経膠腫をもつラットに放射線を照射すると、照射された腫瘍のAPT信号は、照射後3日目および6日目までに大幅に減少した。APTによって検出可能なアミドプロトンは、生存能力のある悪性腫瘍と放射線壊死を区別したり、治療への腫瘍の応答を予測したりするための、数少ない非侵襲的なMRIバイオマーカーとなる。

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