Technical Report 画像化技術:PEG-3プロモーター駆動性の遺伝子発現に よる腫瘍特異的な画像化法 2011年1月1日 Nature Medicine 17, 1 doi: 10.1038/nm.2269 分子的・遺伝学的な画像化法は、有用な前臨床手段から患者管理の指標へと進歩しつつある。こういう戦略には、遺伝子発現やタンパク質相互作用の測定、遺伝子標識した細胞のin vivoでの追跡などに使える系での画像化用レポーター遺伝子と相補的な造影剤の併用などがある。組織特異的なプロモーターは、特定組織での遺伝子発現をたどるのに使え、適切な増幅機構と組み合わせた場合に特に有用となる。今回我々は、腫瘍進行および転移の表現型に関与するげっ歯類遺伝子由来PEG-3(progression elevated gene-3)プロモーターは画像化用レポーター分子を選択的に駆動するのに使え、生物発光と放射性核種を用いる分子画像化技術によってヒト黒色腫および乳がんのマウスモデルでの微小転移巣の検出が可能となることを示す。PEG-3プロモーターは、プロモーター活性が高く腫瘍特異的で、臨床応用への適応性も高いので、これに駆動される遺伝子発現は、がんの画像化や治療を容易にする実用的な新システムになると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る