Brief Communication

神経変性疾患:血管内皮増殖因子は脊髄小脳失調症1型のマウスモデルでの運動失調表現型を改善する

Nature Medicine 17, 11 doi: 10.1038/nm.2494

脊髄小脳性失調症1型(SCA1)は、成人発症の優性遺伝性神経変性疾患で、アタキシン1(ATXN1)のグルタミンリピート鎖の伸長によって引き起こされる。ATXN1の機能の詳細は解明されていないが、転写抑制に関与すると考えられている。我々は、変異型ATXN1が神経栄養性および血管形成性の因子である血管内皮増殖因子(VEGF)の転写を抑制することを見いだした。遺伝学的方法によるVEGF過剰発現、あるいは組換え型VEGFの薬理学的注入によってSCA1の病態が緩和されることは、この疾患の新しい治療戦略を示唆している。

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