Review 虚血・再灌流 − 機序の解明から臨床へのトランスレーション 2011年11月1日 Nature Medicine 17, 11 doi: 10.1038/nm.2507 虚血・再潅流によって誘発される組織損傷は、心筋梗塞、虚血性脳卒中、急性腎障害、外傷、循環停止、鎌型赤血球症および睡眠時無呼吸などの広範にわたる病態で罹患と死亡の一因となっている。虚血・再灌流傷害は、臓器移植や、心胸郭や血管手術および一般的な外科手術の際の重大な難問である。虚血臓器内の代謝における需要と供給の不均衡は、深刻な組織低酸素状態および微小血管機能障害を生じる。それに続く再灌流によって、自然・適応免疫応答の活性化と細胞死プログラムが促進される。虚血・再灌流の分子的・免疫学的帰結の解明における最近の進展は、虚血・再灌流に伴う組織炎症や臓器機能障害が起こった患者の治療に、革新的な治療戦略をもたらすかもしれない。 Full text PDF 目次へ戻る