Review 疾患におけるリンパ管構造 2011年11月1日 Nature Medicine 17, 11 doi: 10.1038/nm.2545 血管は閉鎖循環系を形成しているが、リンパ管は組織液と白血球が一方方向に流れる導管系を形成している。ほとんどの脊椎動物で、リンパ管の主な機能は血管から滲出したタンパク質に富む過剰体液を集めて、それを血液循環へと返送することである。リンパ管は重要な免疫監視機能を持ち、さまざまな抗原や活性化された抗原提示細胞をリンパ節に取り込み、免疫エフェクター細胞や体液性応答因子を血液循環に送り出す。リンパ系機能に欠陥があると、組織でのリンパ液滞留、免疫応答低下、結合組織や脂肪の蓄積、またリンパ浮腫として知られる組織腫脹が引き起こされることがある。本総説では、リンパ系の生物学的研究の最新の進展と、免疫応答や炎症応答を伴うさまざまな疾患の発症機序にリンパ系がどのようにかかわっているのか、また腫瘍細胞の播種にリンパ系が果たす役割などを取り上げる。 Full text PDF 目次へ戻る