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がん:プロテアソーム脱ユビキチン化活性の阻害は新しいがん治療法になる

Nature Medicine 17, 12 doi: 10.1038/nm.2536

ユビキチンで標識された基質は、26Sプロテアソームによって分解される。26Sプロテアソームは、タンパク分解能をもつ20Sコア粒子とそれをキャップする19S調節粒子からなる多サブユニット複合体である。ボルテゾミブが多発性骨髄腫の治療薬として承認されたことは、20Sコア粒子が抗がん薬の標的であることを証拠立てている。本論文では、小型分子のb-AP15がこれまで知られていなかった種類のプロテアソーム阻害因子で、19S調節粒子の脱ユビキチン化活性を消失させることを報告する。b-AP15は、19S調節粒子に結合している2つの脱ユビキチン化酵素であるユビキチンC末端加水分解酵素5とユビキチン特異的ペプチダーゼ14の活性を阻害し、その結果ポリユビキチンの集積が起こった。b-AP15は腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し、これはTP53の状態やアポトーシス抑制因子BCL2の過剰発現には影響されなかった。b-AP15の投与は、4種のin vivo固形腫瘍モデルで腫瘍プログレッションを抑え、急性骨髄性白血病モデルでは臓器浸潤を抑制することがわかった。この結果は、19S調節粒子の脱ユビキチン化活性が抗がん剤の新規標的であることを示している。

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