Technical Report 腎臓疾患:Ngalレポーターマウスで損傷に対する腎臓の応答をリアルタイムで検出 2011年2月1日 Nature Medicine 17, 2 doi: 10.1038/nm.2290 臓器損傷の代替マーカーとしてはさまざまなタンパク質が提案されているが、候補タンパク質の多くについて、損傷臓器とそのタンパク質とを関連付ける本質的なバイオマーカー特性がまだ報告されていない。我々は、ルシフェラーゼ2とmCherry(Luc2-mC)をコードする二重融合レポーター遺伝子を、Ngal(Lcn2)遺伝子座に組み込んで、Ngalレポーターマウスを作製した。このNgal-Luc2-mCレポーターは、内在性メッセンジャーRNAを正確に再現し、in vivoでの損傷をリアルタイムで浮かび上がらせた。腎臓でのNgal-Luc2-mCの画像は、尿中Ngal(uNgal)の濃度に反映される尿細管ストレスとの高感度で迅速かつ用量依存的、可逆的、臓器および細胞特異的な相関を示した。意外にも、遠位ネフロンの特異的細胞がuNgalの供給源だった。Ngal-Luc2-mCマウスから単離した細胞によっても、損傷の開始と消退の両方、およびNF-κB阻害剤や感染時の抗生物質の働きが明らかになった。したがって、Ngal-Luc2-mCマウスおよび細胞の画像化によって、腎臓損傷に影響を与える傷害性および修復性の物質が識別できた。 Full text PDF 目次へ戻る