Technical Report 出生前診断法:胎児特異的なDNAメチル化比率の使用により 可能になった21トリソミーの非侵襲的な 出生前診断 2011年4月1日 Nature Medicine 17, 4 doi: 10.1038/nm.2312 ダウン症候群(21トリソミー)の非侵襲的出生前診断(NIPD)に向けた試みは世界各国で行われており、現行の侵襲的な出生前診断法に比べて、NIPDが持つ商業的および医学的可能性が示されている。母親と胎児のDNAメチル化の差異についての詳細な解析から、メチル化状態の異なる領域(DMR)がすでに複数同定されている。本論文では、メチル化DNA免疫沈降法とリアルタイム定量PCRを組み合わせて使うことで、胎児染色体の遺伝子量を評価するという戦略を示す。これは、胎児特異的DMRの解析により非侵襲的に行える。実際に、正常と21トリソミーの胎児について、母体末梢血中に存在する胎児特異的DMRを調べてメチル化比率を決定し、さらに統計解析を行うことで、21トリソミーの非侵襲的な出生前検出が達成できた。この胎児特異的メチル化比率法を用い、21トリソミー14例と正常な26例が正しく診断された。 Full text PDF 目次へ戻る