Article 肥満:B細胞はT細胞の調節と病因性IgG抗体の産生によってインスリン抵抗性を促進する 2011年5月1日 Nature Medicine 17, 5 doi: 10.1038/nm.2353 内臓脂肪組織(VAT)へのT細胞とマクロファージの浸潤を特色とする慢性炎症は、肥満に関連したインスリン抵抗性とグルコース不耐性の顕著な特徴である。今回我々は、このような代謝異常の発症にB細胞が病因として重要な役割を担うことを明らかにする。食餌誘導性肥満(DIO)マウスではB細胞がVATに集積し、またB細胞を欠損しているDIOマウスは体重増加が見られるにもかかわらず病気を発症しない。機構的には、グルコース代謝へのB細胞の影響は、炎症性マクロファージとT細胞の活性化、および病因性のIgG抗体産生と結びついている。B細胞を除去するCD20抗体の投与は病状を改善するのに対して、DIOマウス由来のIgGの移入はインスリン抵抗性とグルコース不耐性を迅速に誘導する。さらに、肥満したヒトで見られるインスリン抵抗性は、IgG自己抗体の独特なプロファイルと関連している。これらの結果は、インスリン抵抗性におけるB細胞および適応免疫の重要性を明らかにし、またこの病気の管理のための新たな診断法および治療法を示唆している。 Full text PDF 目次へ戻る