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骨疾患:Lrp5は骨で機能して骨量を調節する

Nature Medicine 17, 6 doi: 10.1038/nm.2388

ヒトの骨格は低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質5(LRP5)の変異により影響を受ける。LRP5が骨の性質に影響を与える仕組みを解明するために、ヒトで高骨量および低骨量の表現型を示す誘導性Lrp5変異を骨細胞特異的に発現するマウスを作製した。これらのマウスの骨の性質は、遺伝的変異をもつマウスの骨の性質に類似していた。また、体肢骨格を形成する細胞でLrp5変異を誘導し、体軸骨格を形成する細胞では誘導しなかった場合には、骨の性質が四肢では変化したが、脊椎では変化しなかった。以上の結果は、Lrp5シグナル伝達は局所的に機能することを示しており、成熟骨細胞でのLRP5シグナル伝達の増強が、骨粗鬆症などの低骨量を伴うヒト疾患の治療戦略となる可能性をしている。

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