Brief Communication 脂質代謝:転写因子サイクリックAMP応答配列結合タンパク質Hはトリグリセリド代謝を調節する 2011年7月1日 Nature Medicine 17, 7 doi: 10.1038/nm.2347 本論文では、転写因子であるサイクリックAMP応答配列結合タンパク質H(CREB-H、CREB3L3にコードされる)が正常な血漿トリグリセリド濃度の維持に必要であることを報告する。CREB-H欠損マウスは、リポタンパク質リパーゼ(Lpl)により触媒されるトリグリセリド分解の効率が悪いことによって二次的に起こる高トリグリセリド血症を示す。その原因の一部は、Lpl活性化補助因子Apoc2、Apoa4およびApoa5 (それぞれアポリポタンパク質C2、A4およびA5をコードする)の発現障害と、それと同時に起こるLpl阻害因子Apoc3の増強である。我々は、非常に重度のトリグリセリド血症の患者で、活性低下型もしくは非機能型のCREB-Hタンパク質を生じるCREB3L3の非同義変異を多数同定した。このことは、CREB-Hがヒトのトリグリセリド代謝に非常に重要な役割をもつことを意味している。 Full text PDF 目次へ戻る