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神経疾患:HDAC6阻害剤はHSPB1変異体により誘発されるシャルコー・マリー・トゥース病マウスモデルで軸索消失を改善する

Nature Medicine 17, 8 doi: 10.1038/nm.2396

シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)は、もっともよく見られる末梢神経系遺伝性疾患である。27-kDa small heat-shock protein遺伝子(HSPB1)の変異により、軸索型CMTあるいは遺伝性遠位運動性神経障害(遠位型HMN)が引き起こされる。我々は、2種類のHSPB1変異(S135FおよびP182L)をニューロンだけに発現するトランスジェニックマウスを開発し、その特性を調べた。これらのマウスは、変異に依存してCMT、あるいは遠位型HMNのすべての特徴を示した。HSPB1変異体を発現させると、アセチル化されたαチューブリン量が減少し、重症の軸索輸送障害が引き起こされた。ヒストンデアセチラーゼ6(HDAC6)の薬理学的阻害によりαチューブリンのアセチル化を増加させると、HSPB1変異により引き起こされる軸索輸送障害が改善され、
症候性HSPB1変異体マウスのCMT表現型が救済された。この知見は、HSPB1変異体が誘導する神経障害ではαチューブリン脱アセチル化が病因の役割を担っていることを実証し、HDAC6阻害剤を遺伝性軸索障害に対する治療戦略として用いることへの見通しを示している。

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