Article HIV:防御的に働くHIV特異的CD8+ T細胞はTreg細胞の抑制を逃れる 2011年8月1日 Nature Medicine 17, 8 doi: 10.1038/nm.2422 特殊なヒト白血球抗原(HLA)、特にHLA-B*27やHLA-B*57対立遺伝子群はずっと以前からHIV-1の制御に関連づけられている。HIV特異的CD8+T細胞の大部分はHIV慢性感染の間に増殖能を失うが、HLA-B*27やHLA-B*57対立遺伝子群拘束性のT細胞はそうはならない。今回我々は、「防御的」HLA対立遺伝子群拘束性のCD8+ T細胞はTreg細胞によって抑制されないが、同一個体内で「非防御的」対立遺伝子拘束性のT細胞はex vivoで強く抑制されることを示す。このHIV特異的CD8+ T細胞のTreg細胞による抑制に対する感受性の差異は、コグネイトエピトープによる刺激後の抑制性受容体Tim-3 (T cell immunoglobulin domain and mucin domain 3)の発現と相関している。さらに、HLA-B*27およびHLA-B*57拘束性エフェクター細胞は、遭遇したTreg細胞をグランザイムBに依存して直接殺すことによってもTreg細胞が媒介する抑制から逃れることがわかった。HLA-B*27およびHLA-B*57対立遺伝子群とHIV-1疾患進行の遅れが相関する理由はずっと不明だったが、この研究はそれを明らかにしている。 Full text PDF 目次へ戻る