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糖尿病:膵臓ベータ細胞の糖鎖修飾およびグルコース輸送の低下を介する糖尿病への経路

Nature Medicine 17, 9 doi: 10.1038/nm.2414

多くの生物種において食餌、肥満および糖尿病の間には関連があり、これはヒトの健康問題を拡大する基盤となっている。インスリン抵抗性と膵臓ベータ細胞機能不全の両方を引き起こす原因因子は、いまだ完全には同定されていない。我々は、ヒトおよびマウスの膵臓ベータ細胞で、高濃度の遊離脂肪酸あるいは肥満を伴う高脂肪食の投与により誘発される分子事象のつながりが、糖尿病の発症経路を構成していることを報告する。遊離脂肪酸濃度の上昇は、ベータ細胞で転写因子FOXA2とHNF1Aの核外への搬出と発現減少をもたらす。その結果、ベータ細胞でGnT-4a糖転移酵素の発現が不足し、高血糖、耐糖能異常、高インスリン血症、脂肪肝、筋肉と脂肪組織におけるインスリン作用の低下などのメタボリック症候群の兆候がもたらされる。ベータ細胞特異的にGnT-4aによるタンパク質の糖鎖修飾を補うとメタボリック症候群が予防された。これにはグルコース輸送体の発現維持とグルコース輸送の保持が関与していた。この発症過程は、2型糖尿病のドナーから得たヒト膵島細胞でも作用していることから、食餌および肥満関連要因が関与する2型糖尿病の疾患経路を明らかにしている。

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