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肥満:活性酸素種のペルオキシソーム増殖に関連する
制御は食餌誘発性肥満におけるメラノコルチンの感受性と摂食を設定する

Nature Medicine 17, 9 doi: 10.1038/nm.2421

以前の研究で、メラノコルチン系の回路活性の調節に視床下部の活性酸素種(ROS)がかかわっていることが提唱されている。今回我々は、ROSの抑制はプロオピオメラノコルチン(POMC)産生細胞の活性化を低下させ、神経ペプチドY(NPY)およびAgRP(agouti-related peptide)の両方を産生するニューロン(NPY/AgRPニューロン)の活性と摂食を促進するのに対して、ROSはPOMCニューロンを活性化し、摂食を低下させることを示す。痩せたマウスおよびob/obマウスでは、POMCニューロンのROSレベルはレプチンレベルと正の相関を示したが、この関係は食餌誘発性肥満(DIO)マウスでは減弱した。高脂肪食は、視床下部内でのペルオキシソーム増殖とペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR-γ)のmRNAレベル上昇をもたらした。PPAR-γアゴニストのロシグリタゾンによって誘導されたPOMCニューロンでのペルオキシソーム増殖はROS濃度を低下させ、高脂肪食を与えられている痩せマウスの食餌摂取量を増加させた。逆に、ペルオキシソーム増殖をPPARアンタゴニストのGW9662によって抑制すると、POMCニューロンでのROS濃度とc-fos発現が上昇した。また、ペルオキシソーム増殖抑制は高脂肪食が誘発するNPY/AgRP上昇とPOMCニューロン発火低下を回復させ、DIOマウスの摂食量が低下する結果となった。さらに、ROSを単独で中枢性投与するとPOMCニューロンにおけるc-fosとpStat3(phosphorylated signal transducer and activator of transcription 3)の発現が増加し、DIOマウスの摂食量が低下した。以上の結果は、レプチン抵抗性状態でのエネルギー代謝の中枢性調節における、ペルオキシソームとROSが関連するこれまで知られていなかった視床下部細胞過程を明らかにしている。

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