Article がん:イマチニブはIdoの阻害を介して消化管間質 腫瘍における抗腫瘍T細胞応答を増強する 2011年9月1日 Nature Medicine 17, 9 doi: 10.1038/nm.2438 イマチニブメシル酸塩は、消化管間質腫瘍(GIST)において変異したKITがんタンパク質を標的とし、80%の患者で臨床反応が得られている。その作用機序は、腫瘍細胞の生存と増殖のためのKIT誘導性シグナルの阻害に主に依存していると考えられている。我々は、GISTを自然発症するマウスモデルを使って、イマチニブの抗腫瘍効果に免疫系が大きく寄与していることを見いだした。イマチニブ療法は、免疫抑制酵素インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(Ido)の腫瘍細胞での発現を低下させることによって腫瘍内のCD8+ T細胞を活性化し、また制御性T細胞(Treg)のアポトーシスを誘導した。免疫療法の併用は、マウスGISTでイマチニブの効果を増強した。新鮮ヒトGIST標品では、このT細胞プロファイルはイマチニブ感受性およびIDO発現と相関していた。したがって、T細胞はGISTにおけるイマチニブの抗腫瘍効果に非常に重要であり、また免疫療法の併用は標的治療薬を用いるヒトがん治療の成績をさらに改善する可能性がある。 Full text PDF 目次へ戻る