Editorial

政治と格闘する科学

Nature Medicine 18, 1 doi: 10.1038/nm.2643

緊急避妊薬は、妊娠中絶を増やし、乱交を助長するという誤った考え方があるために、米国の政治では激しい議論を招く「危ない」問題となっており、そのために認可が遅れ、使用が難しくなっている。緊急避妊薬のPlan B One-Stepは、米国FDAが承認に向けて検討を進めていると報道された。しかし、保健福祉省長官は、有用性と安全性について問題がないとしても販売年齢制限の撤廃は時期尚早として、承認を認めないとの見解を発表した。医薬品の認可は、臨床および基礎医学的証拠の厳密な評価に基づくべきもので、政治的メリットに左右されるべきではない。このことは、政治が科学に優先するという悪しき前例を作ることになる。

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