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免疫:幼少期の呼吸器合胞体ウイルス感染は制御性T細胞機能を障害しアレルギー性喘息に対する感受性を高める

Nature Medicine 18, 10 doi: 10.1038/nm.2896

免疫寛容は幼少期に始まり、その際には制御性T(Treg)細胞が重要な役割を担う。幼少期に呼吸器合胞体ウイルス(respiratory syncytial virus:RSV)に反復感染すると、成人期に喘息になる危険性が上昇する。母乳を介して卵白アルブミン(OVA)に対する免疫寛容が誘導された乳仔マウスをRSVで反復感染させると、OVAによる感作や曝露に反応して、気道の炎症や過敏性、OVA特異的IgEの増加などのアレルギー性気道疾患が、対照となる非感染OVA免疫寛容マウスに比べて多く誘導される。ウイルス感染によって、FOXP3(forkhead box P3)陽性TregでGATA-3発現や2型ヘルパーT細胞(TH2)サイトカイン産生が誘導され、宿主ではインターロイキン4受容体α(IL-4Rα)の発現に依存する形で肺のTreg細胞の免疫抑制機能が障害された。したがって、RSVは肺でのTH2型炎症反応の促進により、Treg細胞でTH2様エフェクター表現型を誘導し、関連のない抗原(アレルゲン)に対する免疫寛容を抑制した。以上の知見は、幼少時のウイルス感染が宿主防御機構を標的として、アレルギー疾患に対する感受性を高める機序の1つを明らかにしている。

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