Editorial リピートアフターミー 2012年10月1日 Nature Medicine 18, 10 doi: 10.1038/nm.2978 科学研究における発見の過程は複雑で厄介なものになりがちだし、新しい分野を開くような画期的な研究ではすべてが正しく理解されるとは限らない。だが、公表されたデータの第三者による検証は、そこから先に研究を進めるために不可欠である。今年8月にカリフォルニアのベンチャー企業が始めたReproducibility Initiativeは、生物医学の研究者が結果の再現性を確認したい場合に、この会社が選んで紹介する研究組織と契約を結んで実験をやってもらうという企画である。しかし、これには実験技術のレベルなど、ちょっと考えただけでもかなりの問題がありそうだ。しかも、この会社は営利目的の民間企業であり、また結果が再現されたかどうかを誰が判定するのかもはっきりしていない。公表された研究成果のシステマティックな評価には、完全な透明性が必要であり、生物医学に対する研究助成を行っている世界の指導的組織の協力の下で行われることが最も望ましいのではないだろうか。 Full text PDF 目次へ戻る