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自閉症の標的療法の臨床試験

Nature Medicine 18, 12 doi: 10.1038/nm.3027

自閉症スペクトラム障害(ASD)の原因となる遺伝学的特性を解明し、よりよい動物モデルを作製するための研究はすでに始まっているが、この障害のための新薬開発は遅々として進まない。GABAB受容体アゴニストSTX209(アルバクロフェン)が脆弱X症候群(FXS)に効果があることを明らかにした最近の2つの研究によって、この分野での標的療法設計が内包する複雑性の一端が明らかになった。Hendersonたちは、この治療法を脆弱X症候群のマウスモデルで検証し、このモデルではシナプス機能不全や行動が改善されることを見いだした。一方、Berry-Kravisたちは第2相臨床試験で、FMR1の完全変異を持つ6歳から39歳の63人でアルバクロフェンについて調べた。この試験の一次エンドポイントに関しては、プラセボと比較して有意な改善はみられなかったのだが、ほかの解析では治療を受けた被験者に改善がみられた。これらの研究に関して、また、ASDの新しい治療法の開発とのかかわりについて専門家の意見を聞いた。

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