Commentary

感染症との闘いに進化生物学を役立てる

Nature Medicine 18, 2 doi: 10.1038/nm.2572

病原体は治療介入を軽々と無視する優れた能力を持っている。こうした特質は進化によって形作られてきたもので、治療に対する直接的な反応(例えば抗生物質に対する抵抗性の獲得のような)であるか、あるいは長期的な共進化を介して宿主や寄生生物に生じたもの(有害あるいは予想不能な影響を治療に及ぼす形質)のどちらかである。感染症の制御を成功させるには、進化生物学の考え方や手法を、免疫学や病原生物学に対する従来の研究法としっかりと統合しなくてはならない。学際的な研究法は、病原体制御のための戦略や、さらには感染症患者の治療を啓発し、感染症制御にかかわる現在あるいは将来の難問への対処を可能にしてくれるだろう。

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